退職ママ

失業給付(失業手当)の受給期間の延長ってどんな制度?どんな人が?いくら?どうやって申請するの?

「失業給付(失業手当)の延長」は、妊娠・出産によって退職したママが再び働ける状態になるまで、失業給付(失業手当)の受け取りを3年間延長できる制度です。
この記事では、「失業給付(失業手当)の延長」がどんな制度で、どんな人が、いくら、どうやったら申請できるのかを説明します。

失業給付(失業手当)の延長ってどんな制度?

失業給付(失業手当)とは、倒産や自己都合、定年などによって退職し、働く意思があるのに就職できない人に、再就職までの一定期間支給されるお金です。
このお金は、退職の翌日から1年以内という「受給期間」にもらい終えなくてはいけません。

ですが、妊娠中や産後のママの場合、働く意思があっても状況的に働く能力がないとみなされてしまい、給付金を受け取れないまま受給期間が終わってしまいます。

そこで、妊娠・出産したママには、退職後1年以内という受給期間を、3年延長できる特例が設けられています。

退職後に手続きをしておけば、子育てがひと段落してから求職活動を行いつつ、最長4年以内に失業給付金(失業手当)を受け取ることができるようになります。

失業給付(失業手当)はいくらくらいもらえるの?

失業給付(失業手当)は、雇用保険に加入していた期間や賃金、会社都合か自己都合かなどで決まります。
こちらのサイトがわかりやすいので参考にしてみてください。
 「5分で読める ちょっと役に立つ 『失業手当の計算』」

まつり

もらえる金額のざっくりとした計算式を紹介します。
①月給(※1)÷30=日給
②日給×0.5~0.8(給付率)=A
③A×日数分=失業給付としてもらえる金額

自己都合の離職(妊娠)で3年間勤めていて、月給15万円のママは、給付率を6割として計算すると、27万円がもらえます。
①15÷30=5000円
②5000円×0.6=3000円
③3000円×90日(※2)=27万円

※1…月給とは、退職前6か月間の給料(残業手当、通勤手当などを含む総額)の平均額です。
※2…自己都合の場合、雇用保険に加入していた期間が1年以上5年未満の場合はもらえる日数が90日となります。

失業給付(失業手当)は どんな人がもらえるの?

雇用保険に加入済みで、妊娠・出産で退職し、産後に再就職を希望しているママが手続きできます。
条件を満たせば正社員・パート・アルバイトなどの区別による違いはありません。
条件は以下の通りです。

失業給付(失業手当)をもらえる条件
  1. 退職日以前の2年間に、雇用保険に加入して働いていた日が11日以上ある月が12か月以上ある
  2. 働く意思と能力があって仕事を探している
まつり

専業主婦のママ、雇用保険に加入していないママ、仕事を継続するママ、公務員のママなどは対象になりません。

失業給付(失業手当)の延長はどうやって申請するの?

失業給付(失業手当)は退職後、なるべく早く「延長」の手続きをしましょう。
給付の申請は、就職活動を始めるときに行います。
申請の流れは以下の通りです。

仕事を辞めたとき

(1)仕事を辞めたとき

勤務先から「雇用保険被保険者離職票」を受け取ります。
大切に保管していてください。

(2)退職日翌日から30日を経過した後

退職日翌日から30日を経過すると、ハローワークで延長の手続きができます。
雇用保険被保険者離職票、母子手帳、印鑑などを持参してハローワークへ行きましょう。
延長後の受給期間の最後の日までであれば申請が可能です。
ですが、申請が遅い場合は受給期間の延長を行っても、基本手当すべてを受給できない場合があります。
なので、なるべく早めに申請するようにしましょう。

自分でいけない場合は代理人、または郵送でも受け付けてもらえます。

(3)産後働こうと思ったとき

出産後、預け先が見つかるなどして働ける環境になったら、ハローワークに必要書類を提出して失業給付(失業手当)を申請します。
手続き日(受給資格決定日)から7日間の待機期間後、支給がスタートします。
※手続き日から1~2週間後に給付金受給のための手続きの説明会が行われますが、これには必ず出席しなければいけません。

(4)申請から28日ごと

原則的に28日に1度の「認定日」に、ハローワークへ失業の認定を受けに行きます。
そこでは、失業状態であることの確認、働く意思があり就職活動をしていることの状況を報告します。
そこから約1週間後に、認定日ごとの失業日数分の失業給付(失業手当)が指定口座に振り込まれます。
そのあと、所定給付日数まで認定と受給を繰り返します。

まつり

失業給付(失業手当)を一定額以上もらうと、パパの扶養にはいれない場合があります。
失業給付(失業手当)をもらった期間は原則として扶養にはいれません。
ママはいったん、国民健康保険と国民年金に加入することになります。

さいごに

失業給付(失業手当)の申請をする際、子どもが保育園などに入れないと「働く能力」がないと判断されてしまうことがあります。
そのため、まだ預け先が決まっていない場合は「預け先を探している最中である」ことをアピールしましょう。

また、再就職を目指すママのためのサポート制度には、「再就職手当」や「就業手当」、「教育訓練給付制度」などもあるので詳しくはお近くのハローワークで確認してみてください。

  • 再就職手当
    …失業給付をもらっている途中で再就職がきまったときにもらえるお祝い金
  • 就業手当
    …失業給付をもらっている途中で派遣・臨時社員やパート雇用などが決まった時に、その不安定な収入をサポートしてくれる
  • 教育訓練給付制度
    …再就職に役立つスキルや、資格を取得するため
まつり

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