公的制度を利用して受け取れるお金はたくさんありますが、どれも自分から申請しなければもらえないものばかりです。
そこでこの記事では、妊娠をきっかけに退職するママ(※)に向けて、妊娠・出産・育児でもらえるお金の手続きのタイミングと申請方法を紹介します。
※退職後はパパの被扶養者になる、または国民健康保険に加入するなど
自分に必要な手続きを確認して、もらい忘れないようにしましょう!!
妊娠をきっかけに退職するママがもらえるお金
妊娠をきっかけに退職するママが利用できる制度は主に以下の通りです。
…など
では、 妊娠をきっかけに退職するママが妊娠発覚後、どんなスケジュールで制度を利用すると良いかを見ていきます!
妊娠をきっかけに退職するママの手続きスケジュール
妊娠中にやっておきたいこと
1.妊娠届を役所や保健所へ提出する
妊娠していることが確定したら、役所や保健所へ妊娠届を提出します。
妊娠届には、以下の情報を記載します。
ママの個人番号、住所、氏名、生年月日、電話番号、職業の有無、分娩予定日、妊娠週数、出生順位、診察を受けた医師・助産師名または医療機関名など
妊娠届を提出すると、母子手帳が交付され、健診費の補助を受けるための補助券などがもらえます。
妊娠届を提出するときの記載事項や、持ち物(印鑑や医療機関の証明書、マイナンバーカードなど)を、お住まいの市区町村役場などに事前に確認しましょう。
2.出産育児一時金の申請先確認と直接支払制度が利用できるかを確認する
出産育児一時金は、出産時に42万円もらえる制度です。
まず、出産育児一時金の申請先を確認します。
会社員や公務員であれば加入している健康保険や共済組合へ、国民健康保険の加入者であればお住まいの市区町村役所へ確認しましょう。
3.家族の医療費の領収書を集める
その年(1月1日から12月31日)の医療費の合計が10万円を超えた場合、確定申告によって所得税が戻ったり、住民税が下がる可能性があります。
確定申告の際に必要になるため、妊婦健診や家族が受診した際の領収書を集めておきましょう。
通院にかかった交通費(公共交通機関)も対象になるのでメモを。
4.児童手当の申請方法を確認し、必要なものをそろえる
児童手当は中学3年生までの子どもを扶養している人がもらえるお金です。
児童手当はさかのぼっての申請ができないため、産後すみやかに申請できるよう事前に調べておきましょう。
5.乳幼児医療費助成の申請方法を確認する
乳幼児医療費助成は、子どもが医療機関にかかったときの費用の一部(もしくは全額)を自治体が助成してくれる制度です。
乳幼児医療費助成は自治体によって内容や条件がさまざまです。
そのため、お住まいの市区町村役所のサイトなどで内容を確認しておきましょう。
googleなどで「乳幼児医療費助成 富山市」といったキーワードで検索するとお住まいの場所の乳幼児医療費助成についての詳細をみつけられると思います!
※「富山市」は例です
6.健康保険と年金の変更手続きをする
退職するとそれまで加入していた健康保険や年金の資格を失うため、変更の手続きが必要になります。
退職後の健康保険として、「国民健康保険・任意継続制度・家族の扶養に入る」といった3つの方法から選択します。
手続きにはそれぞれ期限が設けられているため、退職前にどのような健康保険に加入するかを検討しておきましょう。
7.失業給付の受給期間延長の手続きをする
「失業給付(失業手当)の延長」は、妊娠・出産によって退職したママが再び働ける状態になるまで、失業給付(失業手当)の受け取りを3年間延長できる制度です。
産後しばらくしたら再就職したいと考えている場合は、退職翌日から30日経過してから、はやめに手続きをしておきましょう。
8.傷病手当金の申請方法を確認する
傷病手当金は、妊娠中になにか問題が起きて入院してしまった場合などで、3日を超えて勤め先をお休みしてその間の給料が出ない場合にもらえるお金です。
勤め先によっては診断書が必要になる場合もあるので、万が一の時に慌てず済むように確認しておきましょう。
9.高額療養費の申請方法を確認する
公的医療保険制度に加入をしていると、医療費全額を支払うことはなく、医療費の一部を支払うことで治療を受けることができます。
さらに、1か月の自己負担額に年齢や所得に応じて上限を定め、その上限を超えた分の医療費を還付してもらえる高額療養費という制度があります。
自己負担額が上限額を超えそうなことがあらかじめ分かっている場合は、事前に「限度額適用認定証」を手に入れておきましょう。
※事後申請も可能です
産後にやること
1.出産育児一時金の直接支払制度の手続き(もしくは清算)をする
妊娠中に直接支払制度を受けることを了承している場合、分娩・入院費が42万円を超えた場合には、退院時に超過分を会計窓口で支払います。
直接支払制度を導入していない医療機関の場合は、いったん分娩・入院費を全額支払い、後日健康保険に申請すると、指定口座に42万円が振り込まれます。
2.出生届を提出する
赤ちゃんが生まれてから14日以内に名前を決めて、出生届を市区町村役所へ提出します。
3.児童手当を申請する
必要なものをそろえて、可能であれば出生届と一緒に市区町村役所へ提出します。(公務員の人は職場へ)
4.赤ちゃんの健康保険への加入手続きをする
出生届を提出したら、すぐに赤ちゃんを健康保険へ加入させる手続きをしましょう。
5.乳幼児医療費助成を申請する
健康保険に加入した後に、市区町村役所でなるべく早く手続きをしましょう。健康保険証が手元に届いていなくても手続きをしてくれる自治体もあります。
6.確定申告(医療費控除・所得税還付申告)をする
その年(1月1日から12月31日)の医療費の合計が10万円を超えた場合、所得税や住民税が下がる可能性があります。
翌年の1月頃に確定申告書を入手して、必要書類と合わせて税務署へ提出しましょう。
また、年の途中で退職した場合には「退職者の所得税還付申告」をすれば、納めすぎた所得税が戻ってくることがあります。
医療費控除と所得税還付申告は同時に行えるので、必要書類などを事前に確認してまとめておきましょう。
※確定申告の手続きについては国税庁のホームページやお近くの税務署へご相談ください。
トラブルなどで入院・治療費が高額になったとき
1.高額療養費を申請する
保険診療による自己負担額が自己負担限度額を超えた場合、超えた分を健康保険が負担してくれます。
自己負担限度額を超えそうなことが事前に分かっている場合は、あらかじめ限度額適用認定証を入手しておきましょう。
そうでない場合は、事後申請をすることで超えた分を後日振りこんでもらいましょう。
私の勤務先の健康保険は申請の必要がなく、超過分を自動で振りこんでくれるようになっています。
2.傷病手当金を申請する
トラブル入院などで3日を超えて仕事を休み、その間の給料が出ない場合、勤務先の健康保険から傷病手当金が支給されます。
勤務先によっては診断書が必要になることもあるため確認しましょう。
さいごに
妊娠をきっかけに退職するママがもらえるお金はたくさんありますが、どれも自ら申請しなければいけないものばかりです。
産後は慣れない育児でバタバタするため、可能な限り妊娠中に必要書類をあつめたり、制度の内容を把握しておけると安心できると思います。
申請忘れにはくれぐれもご注意を。。。